先日、娘のピアノの発表会に行ってきた。
広いステージのど真ん中に、ピアノが1つポツンとある。
そして、そこにたった1人で座って演奏する。
いや〜、あれは緊張するだろうなぁ。
大勢の人が見ている前で、失敗しても誰も助けてくれない。
親としては、できることなら代わってあげたい。
こんなプレッシャーのかかる場所に、大事な娘をさらしたくない。
そんなことを考えていた。
でも、ふと思った。
いや、ちょっと待てよ。
こういう経験があるからこそ、これからの人生で困難にぶつかったとき、
それを乗り越える力が身についていくんじゃないか?
もちろん、過度なプレッシャーを与えたり、
無茶をさせたりすることには賛成しない。
ただ、最近は子どもたちが競い合う機会って、少なくなってきている気がする。
競争だけじゃない。
先生からのプレッシャーだったり、勝負事だったり。
「ここで失敗したらどうしよう……」
そんな緊迫感を味わう機会も、以前より減っているんじゃないかな。
もちろん、それが全部悪いことだとは思わない。
でも、その一方で、逆境に弱い子が増えてきているんじゃないだろうか?
そんなことも感じる。
ボクは塾の先生だから、どうしても受験と結びつけて考えてしまう。
はっきり言うけど、
勉強は競争じゃない。
でも、受験は競争だ。
勉強は、自分のペースで成長していけばいい。
昨日できなかった問題が、今日できるようになった。
それだけでも立派な成長だ。
でも、受験はちょっと違う。
受験には「定員」という枠がある。
その枠の中に入らないと、どれだけ自分なりにがんばっていても、希望する学校に合格できないことがある。
つまり、自分の成長だけでなく、
ライバルとの競争にも向き合わなきゃいけない。
だからこそ、学力だけじゃなく、心のタフさも必要なんだ。
思うように点数が取れなかったとき。
模試で厳しい判定が出たとき。
一生懸命やったのに、結果がついてこなかったとき。
そこで落ち込むのは仕方ない。
ボクだって落ち込むよ。
でも、いつまでも落ち込んでいたって、状況は変わらない。
大事なのは、そこからどうするか。
気持ちを切り替えて、次の行動に移せるかどうか。
ミスをしないことよりも、ミスした後に行動を起こせるヤツは強い!
そういう力も、受験勉強を通じて身につけてほしいんだよね。
もちろん、困っている子を助けることは大切だ。
だけど、何でもかんでも先回りして、
嫌なことや苦しいことを全部取り除いてしまったらどうだろう?
怒られることもない。
プレッシャーを感じることもない。
やりたくないことは、やらなくていい。
そんな自分にとって都合のいい環境だけにいたら、
いざ困難にぶつかったとき、乗り越える力は育ちにくいんじゃないかな。
筋トレだってそうでしょ?
適度な負荷をかけるからこそ、少しずつ鍛えられる。
もちろん、無茶な負荷をかけたらケガをする。
でも、負荷がまったくなかったら、なかなか強くなれない。
勉強も人生も、それに似ている気がする。
特に、泉丘や二水、桜丘、石川高専などの上位校を目指している子たち。
高校に入ったら、今度はもっと広い世界で、
全国の猛者たちと競い合うこともあるだろう。
そのとき必要になるのは、学力だけじゃない。
失敗しても立ち上がる力。
気持ちを切り替える力。
そして、自分から一歩踏み出す勇気。
そういうものも必要なんじゃないかな。
こういったものは目に見えないからあんまり重要視されないかもしれない。
特に今のZ世代の子にとっては
「なにそれ?ウッザ!」
と思うかもしれない。
でもね。
昔から、
「若いときの苦労は買ってでもしろ」
って言うよね。
昔の人はよく言ったものだ。
もちろん、苦労すれば何でもいいってわけじゃない。
苦労すること自体が目的になったら、それはちょっと違う。
でも、自分の目標のために、あえて大変なことに挑戦する。
その経験には、きっと意味がある。
そして、塾生も同じ。
受験勉強で苦しいのは受験に立ち向かっている生徒たちだ。
ボクが代わってあげることはできないし、
代わるべきでもない。
これから先も、この子達にはいろんな困難が待っているだろう。
そのたびにボクが全部取り除いてあげることはできない。
だからこそ、
今のうちから、自分の力で乗り越える経験を積んでほしい。
たとえ失敗しても、
「てへへ、失敗しちゃった。てへぺろ」
ってまたやり直せばいい。
まあ塾長としては内心ハラハラ心配してるけどね(笑)
かわいい子には旅をさせよ。
じゃなくて
かわいい子には圧をかけよ。
ボクは、そんな気持ちで塾生たちの成長を見守って行こうと思う。







