もくじ
I can・・・はちやま塾のご案内
【AIに仕事を奪われる?】
【でも、人間も読解力が低下している】
ここはまだ書きかけですが、
今回はこの2冊を本を題材にしました!
ここら辺をサクッと学びたい人は「アバタロー」さんの解説音声がめちゃいい!
とにかく声がいいからいつまでも聞いていられます。
昔は音声教材を買うのも一苦労だったのですが、
こういった勉強の仕方もサクッとできる時代になったんです☆
運転中とかに聞くと勉強になりますよ!
【RST=読解力判定テストとは】
この2冊の著者の新井紀子さんが開発した読解力を測るテスト。
この赤い方の本を購入すると例題問題が28問ついてきます。
たとえばこんな問題
・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
以上の2文は同じ意味でしょうか。
AIに負けない子を育てる P3より
中学生の正答率は57%ほどだったそうですが、わかりますか?
正解は「異なる」ですよね。
「同じである」「違う」の二択なのに57%しか正解していないのは驚きです。
この本にはこれ以外に28問の例題があり、それぞれ7分野の能力を測定しているようです。
- かかり受け解析
- 文の構造を正しく把握する。
- 読解力の最も基礎となる能力。
- 照応解決
- 代名詞が何を指しているかを正しく認識する。
- これも読解力の最も基礎になる能力。
- 同義文判定
- 与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する。
- 語彙力や論理力が必要。
- これができないと記述問題の丸つけができない
- 推論
- 既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する。
- 1を聞いて10を知る能力。
- イメージ同定
- 文と非言語情報(図)を正しく対応づける。
- 具体例同定(辞書)
- 辞書の定義を用いて新しい語彙とその用法を獲得できる。
- ①②ができていないと厳しい
- 具体例同定(理数)
- 理数的な定義を理解し、その用法を獲得できる。
- ①②ができていないと厳しい
- 理系科目が苦手な人は点数が低く出る。
【どんなことがわかるの?】
一般的なビジネスパーソンでおよそ全分野で6点以上。
つまり平均点で42点ほど。
ちょっと中学生には荷が重いかもしれませんが、小学6年生以上であれば挑戦できると思います。
ぜひやってみてほしいですね☆
では、結果からタイプ分けをしてみましょう!
前高後低タイプ
①係り受け解析、②照応解決、③同義文判定6点以上だけど、
④推論、⑤イメージ同定、⑥⑦具体例同定の2つ以上が3点以下という人。
MARCH、関関同立レベル。
活字は嫌いじゃない、知的好奇心はあるけど、理数系やコンピュータが苦手なタイプが多い。
数学が苦手なのは「推論」「具体例同定(理数)」が苦手だから。
考えることよりも暗記重視の勉強をしてきたため、数学に苦手意識を持ちやすい。
情報を大量に取り入れるけど、新しい環境に尻込みする。
できない理由や反対する理由を考えるのが上手いが本当の理由は本質的に学んだり考えたりする自信がないのかも。
スパイシーな言い方だと
「ビジネス書やネットで耳にした情報を振り回してくるけど、論理や仕組みがよくわかっていないタイプ」
結構ムチャ振りしてくるタイプみたいですね・・・(笑)
全分野そこそこタイプ
④推論、⑤イメージ同定、⑥⑦具体例同定のどれかで3点以下をとっちゃったけど、ほぼすべてで6点以上をとり、でもなかなか10点がとれなかった人。
真面目で優秀でそれなりに論理的。
自学自習の基礎もできている。
地元の国立大学に進学したり有名私大に合格できる力は持っている。
「前高後低タイプのムチャ振りや全低タイプの部下の読解力不足のトラブルの尻拭いをするはめになるタイプ」
それが気になるなら自分で自学自習はできるレベルにいるので、読解力をさらに上げてスキルアップを図っていきましょう。
全低タイプ(中学生平均レベル)
①係り受け解析か②照応解決のどちらかが3点以下だった人です。
中学生なら心配しなくても平均的な読解能力です。
このタイプが後半の④推論、⑤イメージ同定、⑥⑦具体例同定が高いことは滅多にない。
つまり、どの分野でも3点以下になってしまう可能性が高い。
活字を苦手として、テレビや動画でないと楽しめない。
文字はTwitterが限界でLINEやインスタ、tiktokのような文字が極端に少ないものばかりになっていませんか?
このタイプはすべての教科をまんべんなく勉強するのが苦手なので、国立大学に入るのは難しいでしょう。
地方私立大学や推薦入試、AO入試などの進学例が多いようです。
勉強を「単純暗記」でなんとかしてきたため、小学生のテストや中学生の中間・期末テストではなんとかなっても実力テストになると極端にできない。
勉強していても「何がわからないのかがわからない」ので赤ペンで写して終わり。
勉強時間は増えているけど、成果に結びつかないことが多い。
このタイプは「本人は読めている」と思っても実際は読めていないので、人からよく怒られます。
でも、「④推論」と「③同義文判定」ができないので「なんで怒られているかわからない」という状況になりやすいです。
実際に授業のときに「指示した内容とまったく違うことをする子」や「何度伝えてもその通りにできない子」がいます。
これは「できない」のはなく、もしかしたら「最初から伝わっていない」のかもしれません。
本人が「読解力を上げなければいけない」という積極的な意思をもって勉強に取り組まないとなかなか上げられません。
このブログはできるだけ短文で作っているので読めるはずです。
がんばって読んでください☆
平均(42点)を超えているタイプ
このテストの平均点は28問であれば42点ほどらしいです。
これは大人の一般的なビジネスパーソンでの話です。
ですが、
小学生でもこの42点を超えている子もいました。
平均を超えている子は「会話が成り立ちます」
「会話が成り立つ」というのもおかしいのですが、多くの子は会話が成り立たないのです。
「大人と対話するのは難しい」というのはわかります。
でも
こちらが話しかけても「はい」「いいえ」だけとか、「今日なんかいいこととかあった?」と何気ない話題を振っても「特にないです」と返ってきます。
一応そのあともこちらから話を振りますが、あまり盛り上がらない。
まさに「ことばのキャッチボール」ができていない状態。
しかし、どんな話にも「答えてくれる」「合いの手を入れてくれる」子もいます。
これはボクの経験則ですが、こういった子は成績が高い傾向にあります。
例えば、
「今、ボクは〇〇ってことを考えていて××をやっているんだよね」
「なるほど!確かに今は△△ですもんねー」とか会話のキャッチボールができるんです。
こういった子は成績が高いタイプ、もしくは伸びやすいタイプだと以前から感じていました。
それが今回の「読解力」という視点から見ると
「相手の言葉をキャッチできていない」
という可能性が高いと感じました。
あなたの身近にもいませんか?
- うまく会話が成り立たない人
- 会話をしてても噛み合わずなんとなくモヤッとしてしまう人
- 悪い人じゃないけど勘違いばかりする人
ボクの実体験と照らし合わせると
このテストの点数が高い人との対話しててもストレスを感じないのです。
それどころか
多少言葉が足りてなくてもこちらの意図を組んでくれたり、1を説明したら10を理解して合わせてくれる。しかもボクの足りない部分を推測して、確認したり、補足を入れてくれたりします。
県内トップ進学校の高校生や国立大学の大学院生になると70点中で60点以上は取れていました。
もちろん、こういった子達も進路の話などしても、論理的に考えて会話できています。
こういった人が賢いと言われる理由なのかもしれませんね。
外れパターン「前低後高タイプ」
例外である外れパターンもあります。
基本的に「①係り受け解析」「②照応解決」ができないと「⑥⑦具体例同定」は解けないのですが、その「⑥⑦具体例同定」だけが高いタイプです。
このタイプは特殊タイプで、子どもにはあまり見られないようです。
特定の教育を偏ってした場合にそういうことがあり得るようですが、気にしなくても良さそうです。
I can … はちやま塾でした例題テストでもこのタイプはいませんでした。
外れパターン「すべて満点タイプ」
上位1%の能力を持っています。
その才能でドンドン自分の夢や目標を叶えていけます。
そして、どうか人のためにもその才能を使ってください。
【高校の偏差値レベルとRSTの結果が関係している】
中学生くらいまでは年齢が上がるにつれて、読解力も上がるだろうという結果が出ていますが、高校生以上になると社会人との差はほとんどなくなるようです。
いくつかの高校でRSTをしたところ、
各高校の偏差値とRSTの結果がかなり高い相関関係になるそうです。
確かに、石川県トップ高校の子にもやってもらいましたが軒並み高い結果になりました。
中3年生で行われる「全国学力状況調査」との相関関係は中程度。
まだ発展途上なので高校生よりも相関関係は低いようですが、「何もしない」とそのままになってしまう可能性があります。
また、このRSTのテスト対策をしたからといって高い結果がでるとは限らないようですね。
逆に問題に慣れてしまったことで読解力が下がる可能性が・・・。
【読解力を上げる6つのポイント】
私たちが単に「読解」と呼んでいるものは「ただ文を読む(ことばを発声する、黙読する)」だけではなく、AI に真似できないような複雑なプロセスを経ています。
そのため読解力を上げるためには「これさえやっておけばいい」というものはなく、 いろんな経験を経て外の世界を認識し、物事を定義しなければいけないようです。
それでもやっておきたいことをいくつか挙げておきます。
①身近な大人たちの会話を聞く機会を増やす
以前からボク自身が気になっていることがあります。
それは授業中にちょっとした雑談をしているとき
「ボーッとしている生徒」
「話を聞かず黙々とワークを解いている生徒」
がいることです。
何人かの子はうなずきながら、ときには笑いながら聞いているのである程度の面白い話だと思います。
そして、
興味を持って聞いてくれている子は成績が高い傾向にあり、ワークを黙々と解き続けている子の方があまり成績が良くない傾向がありました。
これは今までの経験則に基づくもので、なんとなくそういった感じがするという勘でしたが、
今回の読解力について調べて
「やっぱり!」
腑に落ちました。
極端な意見ですが、
雑談中にぼーっとしてたり、せっせとワークをしている子は
「人の話を聞いていない」
≒「読解力が不足して理解できていない」
のです。
しかも、今までの自分の世界と違う世界の話を聞くことで、知識の幅を広げ、新しい言葉を定義することでさらに深く考えられるようになっていく。
だから、
同級生だけじゃなくて、いろいろな大人の会話を聞くことをオススメします。
②いろんなジャンルの本を読むこと
これも上の内容と同じことですが本を 読むことで知識を増やしましょう。
実は「読書と読解力は相関関係があまりない」と言われていますが、それでもボクは読書をオススメします。
なぜなら、
本の中には日常会話では使われない言葉が出てくるからです。
例えば
「この儂を謀るつもりかっ」という言葉はリアル生活で聞いたことはありませんが、本の中では出てきます。
漢字の勉強にもなりますし、前後の文の内容や状況から意味を推測する「④推論」も身に付きます。
お子さんに読書習慣がなければマンガでもいいと思います。
本当は活字を読んでほしいのですが、流行りのマンガの方が導入のハードルは低いでしょう。
実際にボクは「国語の点数が極端に低い子」に必ず質問するようにしているのですが、そういった子はマンガすら読まないことが多いです。
③本を正確に読む習慣をつけること
まず流し読みせずに「正確に読む」ことを心がけてください。
スマホのスワイプ読みや斜め読みなどに慣れてしまっています。
それどころか文字がないインスタやtiktokが流行っていることを考えると、日常的に文章を読むことがあまりありません。
あってもパッと見てわかる単純なモノばかり。
ハッシュタグなんかもそうかもしれませんね。
#中学生 #読解力 #AIに負ける #読書 #正確に読む #習慣
こういった短文でなんとなくわかったつもりになる。
実際にAIは文章ではなく「単語」をキーワードのように覚えているらしく、著者の新井紀子さんも「AI読み」と名付けていました。
確かに単語だけだと、AIと同じ覚え方になり読解力は身に付かないですね。
しかも情報量でAIに負けるので圧倒的な下位互換になってしまう(涙)
④読んだ本の要点をまとめて、誰かに教えること
「アウトプットこそ最強の学習方法」です。
だから
本を読んで学んだ内容は誰かに伝えるといいですね。
子どもがお母さんにうれしそうに1日の出来事を話します。
最初は上手くないかもしれませんが、それを繰り返しているうちに内容はどんどん要点を捉えてきます。
「I can … はちやま塾」でも小学生の読解テストは「1対1の口頭テスト」です。
毎回テーマが違うので、それを読んできてもらい、自分なりにまとめてボクに話します。
そして
その都度、ボクが
「まずは結論をまとめるといいよ」
「細かい数字は覚えなくてもいいからね」
「最初に『理由が3つあります』って言った方がいいかもね」
と指導をしています。
わざわざ「先生に伝えること(アウトプット)」で「読解の質(インプット)」を上げて、要点のまとめるトレーニングをしています。
⑤疑問を持ち、調べること
本もぜひ読んでほしいのですが、日常生活にもいろいろ謎が隠されています。
多くのものは「なるべくして、そうなっている」のです。
例えば
「マンホールのフタはなぜ丸いのか?」
という疑問に対して、仮説を立てます。
「作りやすいから?」
「軽量化かな?」
「安全のためかな?」
そして、仮説を立てると答え合わせのために調べます。
昔と違い、スマホやパソコンが身近になる時代でスピーディーに調べることができるようになりました。
そこでサクッと調べてみると
「四角形だとズレたときに落ちる可能性があるから」
です。
そのときに
「なるほど!四角形だと対角線が最も長くなるから落ちるのか」
「だったら円だと落ちないのかな?」
と対角線と直径の長さを比較することを考えるきっかけにもなります。
これが三平方の定理とか三角関数のイメージに繋がってきます。
つまり、
ある疑問を持ち、仮説を立て、調べてさらに思考を深めていく。
単純に「マンホールが丸い理由がわかった!」という知識ではなく、その知識を使ってさらに考えるきっかけになる。
このことが大切なんですね☆
こういったことは塾で習ったり、キャンプに数回行って、自然と触れ合えば学べるというものではなく、日常的にしてほしい行動ですね。
⑥なにより読解力を上げようとする意思
読解力は親であれば、子どもに身に付けさせたい能力のひとつですが、多くの子は日常生活で「読解力が大切」だと思っていないようです。
ボク自身もこのRSTの例題をガチで受けてみて感じたのは
今まで
「読み落としてたー!」
「あー、それはそういう意味なん?それならわかるわ!」
とテストのあとで思っていたことは
すべて読解力不足が原因!
つまり
いいわけ!
子どもがテストの後でよく言うこれらのセリフ。
それは単なるケアレスミスではなく、読解力不足。
そして
その読解力不足は大人になっても
- メールの読み間違い
- 契約書、仕様書、説明書の文章
- 相手の話を理解していなかった
などトラブルが原因になっています。
こういった問題は本人が直そうと強く意識していないと直りません。
【学びの土台をつくっていこう】
「読解力は上げる」というのは簡単なことではありません。
しかし、本人が意識をして学ぶことで必ず身につけることができますし、「学びの土台」と言っても過言ではありません。
そして
読解力は子どもだけではなく、大人も伸ばすことができますので、みんなで読解力を伸ばして「学ぶって楽しい☆」を感じてほしいです!
【実際のRSTを受けてみたかったらこちら】
この記事を読んで興味を持ったら
まずはこの本についてくる28問の例題をやってみることをおすすめします!
※例題がついているのは赤い方『AIに負けない子どもを育てる』です。
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
AIに負けない子どもを育てる
「教育の科学研究所」
1回1500円ほどですが、20名未満は受け付けていないようです。
「I can … はちやま塾」で正式導入してみてようかな☆